ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

年末小倉奇譚

2023/12/30

小倉FUSEにて、小倉ネイバーズ、でありました。

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小倉の場所で、小倉のバンドがやるライブです。小倉のバンドとして参加しました。お客さんも小倉の人が多く、もうなんか、小倉尽くしの一日です。年末ですし、忘年会みたいな日ですね。

ライブ中も言いましたが、同じ小倉のバンドと言っても、実はそんなに頻繁に対バンするわけではないのです。ジャンルが違ったり、日程が違ったりして、実際には年に数回あるかどうかだと思います。そんな皆さんが一同に、しかも昼間っから集まっているのは、なんだか忘年会というより、運動会みたいで楽しい気分でした。皆で綱引きでもしたい気分ですね。

本日は10組の出演、かなりの長丁場です。我々は6組目、こういう日はライブまでの体力配分が大事になりますが、1組目のAccident I Lovedが大トリみたいなライブをしていたので、なんかもうそれなりにどうでもよくなっていました。対バンを見ながら、お客さんと話しながら、リハ中に散歩したり、和やかに、ソワソワしながら過ごしていました。

出番は近づいてきます。人が多く、ゴチャついた楽屋で静かに屈伸をしていました。すべての対バンの所感を書くのはめんどいので書きませんが、みな、良いライブをしていました。我々にも重圧がかかります。お祭りみたいな日とはいえ、各々のプライドはきちんと懸かっています。むしろ、普段あまり対バンのない方々にも、そのお客さんにもライブを見せる機会でもあるので、独自の緊張感があります。俺たちが小倉で一番格好良いのだと、皆が全身で言っています。それは我々だということを思い知らせなければなりません。

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身体中はおろか、血中の酸素まで使い切る勢いで、叫び散らかしました。2023年の総括として、良いライブができたと思います。見せびらかしてやりましたぜ。

 

過呼吸を少しずつ飲み込みながら、対バンは流れ、公演は無事に終了しました。小倉、という街が体現されたような日でしたね。私は現在福岡在住ですが、我々は小倉のバンドです。間違いなく小倉のバンドです。今までも、これからも小倉のバンドです。小倉の街でやっていきます。どうぞ宜しくお願いします。

 

打ち上げはUN小倉、広くはない場所に、物凄い人数が詰め込まれて酒を飲む様は、映画で見る海賊が飲み会してるみたいで楽しかったです。私はなみなみのウーロン茶を持ち、今年はお世話になりました、と杯をぶつけあっていました。普段あまり話さない人とも話す機会、なんですが私は隅っこ暮らし、主にソウイチロウ君やコージ君と話していました。もちろんそれはそれで結構楽しく、一杯あたり結構な額になる飲み放題のウーロン茶を、せめて取り返すべくゴクゴクと飲み下しながら、ゆるやかに時を過ごしていました。

帰り際に先輩と話していると、バンドについて中々に図星な事を言われ、胸に結構な刺傷を負いながら帰宅しました。痛い言葉ではありましたが、そのほとんどは私も思っていて黙殺していたような事であり、虚をつかれた思いです。何を言われたかは明言しませんが、車内にてソウイチロウ君と2人、今後の身の振りを考えていました。

別に辞めるとかではありません。ただまぁ、我々も歳を取り、随分と利口になってしまったという事です。色んな事を知ってしまい、しかも一度知ってしまえば、知る前には戻れないときたもんです。とはいえ、嘘をついてしまえばそれで終わり、それはいよいよ、我々の破滅の時となります。

開かない箱の中に鍵があるような禅問答、難しい話なのか、シンプルな話なのかすらもわかっていません。払えない市県民税みたいな難題をぶら下げられながら、ともかくノンフィクションとしての2023年は終わりを迎えたのでありました。