ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

よくわからんけど、やる、という事

2024/1/8

中途半端に残る喉の違和感で派手な行動もできず、それを言い訳にして作業もやらず、ただ遊ぶには罪悪感が勝る。寒くなってはコタツにもぐり、喉が渇いては外に出るを繰り返した結果、日中は本当にマジで何もしてないような日を過ごしていました。あまりにも卑下しすぎたせいか、重力も重く感じます。カスと呼んで差し支えございません。

夕方を前にして、やっと動き出します。今日はオーピーズに行き、greedy、という後輩のバンドを見に行く予定があります。同じ大学、同じサークルというだけで、在学がかぶっているどころか10歳以上離れている方々を後輩と呼んでいいかどうかは諸説。しかし私はその事実が単純に嬉しいので、観に行くのであります。マイパストサマーもいるしね、楽しみ。

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オーピーズ、ここに来ると、いつも旧グラフを思い出します。我々が初めて福岡でライブをした場所にして、バズマザーズと初めて対バンをした場所でもあります。店が変われどモノの配置はあまり変わっていないので、いつも懐かしい気持ちで階段を降りています。

そしてライブを見ていました。greedy、良いですね。後輩ゆえに贔屓目も入ってしまいますが、それ抜きでも好きにはなったんじゃないかと思います。変にこまっしゃくれていなかったり、よくある既存の型にハマってないのは若さの特権でしょうか。ひたすら自分達のモノを作ろうとしている感覚は、成否を問わず感心します。

まだ音源もありませんが、それがまた私は好きなんですよね。バンドなんてそれでいいんですよ。いや勿論音源があった方が良いのですが、よくわからんけどやりたいから始めました、っていうので良いのですよ。我々もそうでした。やってから考える、やりながら考える、それが一番強いです。

 

最近では旧ツイッターでもよく見ます、バンドの売れる方法、みたいなやつ。ライブより先に音源やMVを用意して、開幕スタートダッシュを決めろ、ライブを絞って重点を操れ、とにかく認知を増やして早くに「儲け」まで辿り着け、みたいなやつ。ビジネスとしては大正解なんですが、どうにも私は気に食わないです。バンドってもっとプリミティブといいますか、「わからんけど、やりたいからやる」で良いと思うのですよね。そしてそういうバンドの方が、自力は絶対に強いと思っています。ビジネスをやるバンドって、ビジネスが成立しなくなったら終わりなのですが、「よくわからんけどやる」奴等は「よくわからんけど続く」可能性があります。そっちの方が余程健康的です。

そりゃあね、勿論ビジネスも大事ですよ。お金も大事です。しかしバランスも結構大事なのです。ビジネスに過度に傾倒してしまったバンドって、なんか嫌な臭いがするんですよね。体臭と香水が妙に混ざったような、あんな臭い。それが好きな人、気にならない人もいるんでしょうが、私はどうにも苦手なのです。

greedyを見ていると、昔の我々、本当に何もわからない、辛うじて楽器の弾き方だけ知った状態でバンドをしていた我々を思い出します。別に我々と彼等が似ている、なんて思うわけではないですが、内にあるエネルギーの種類は同じモノだと思います。私はそれが嬉しかったのかもしれません。

あの頃のエネルギーは、まだ私の中には残っているのでしょうか。思い出す、サークルの部室で練習をしていた日々、ソウイチロウ君と夜な夜な曲を作っていた日々、1枚目のCDから自主録音で、締め切り目掛けて奔走した日々、色んな思いが浮かびましたが、マイパストサマーのライブで気持ちよくなってそれなりにどうでもよくなりました。メニューにないのに作ってもらった牛乳を片手に、ただただ聴覚と触覚を震わせていました。

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