ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ぼっちの羨望

2024/2/15

今更ながら、「ぼっち・ざ・ろっく」を観了しました。一昨年の年末まで放送していたので、世間からは1年とちょい遅れという所でしょうか。私にしては早い方だと思われます。

内容、とても面白かったです。現代の陰キャに対する解像度がとても高く、私までイタい気持ちになっていましたね。基本引っ込み思案のくせに、高い理想をワンチャン信じていて、変な所で調子に乗って黒歴史を紡ぎ出す。まさに高校時代の私そのものです。まぁ、私は調子に乗る舞台すらなかったのですがね。命拾いしました。

私は高校時代、まだバンドをしていなかったので、彼女らが羨ましい気持ちになりました。ギターは弾いていましたが、誰に言うでもなく、ただ家でひとり、ずっと弾いていましたね。動画を投稿するような腕もなく、そもそもインターネット動画文化も黎明期でしたので、本当にひとりでしたね。ギターを担いで外に出る、なんて事すらしませんでした。後藤ひとりよりもひとりでしたね。まぁ学校には友達はいたのですが。

高校時代、私はギリギリで軽音学部に入りませんでした。音楽はやりたかったのですが、中々平均より上の体重をしていたもので、周りから笑われる事を恐れていました。今考えれば別に気にしなければ良いとは思うのですが、当時の私に気にするなと言っても無理な話です。コンプレックスでガチガチに固まり、色んな関節が動かなくなっていました私です。そもそも、多分マジで周りに笑われてましたしね。ティーンエイジャーってのは愚かで残酷なもんです。

入らなくて良かったとは思っていますが、もしあの時勇気を出して入っていたら、黒歴史の范増はあれど、人生は少し違っていたのでしょうか。いや、変わってはいたでしょうが、多分、今の状況、2024年のイイジタカヒロはそんなに変わってはいないでしょうな。むしろ悪くなっている気すらします。当時の私では、何をやってもそこまで将来に影響を与えるような事はありませんよ。間違い無いです。

しかしそれでもたまに、羨ましくなる事があります。文化祭のステージ、なんて大仰なものでなくても、ギターを担いで高校に行き、授業が終われば部室にて合奏をする。そんな学校生活。大学のサークルには入ってましたが、それとは違う空気感、吸ってみたいと思う事はあります。古い教室で制服のまま搔き鳴らし、下手くそな演奏を合わせる。何も知らない友人と私が、それでも好きな音楽の話をする。その羨望は私の中で、カビ臭く輝いたまま、死ぬまで消える事はないでしょう。