ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

「青春」のそれ

2024/2/23

ライブの日、家を出る前に何かできるか?という話を先日、友人らとしていました。

例えば地元で、ライブハウスに16時入りとかの場合、他の予定がない限り、余裕を持っても15時までは自由な時間なんです。10時に起きたとしても5時間くらいは自由時間です。会社勤めの人が夜、家に帰ってからよりは余裕のある時間のはずです。私は会社に勤めたことはないので知りませんが。

5時間あれば映画だって見られますし、本だって結構読めます。軽くなら遊びにだっていけるでしょう、そのくらいの時間はあります。しかしながら、私を含め友人らも、皆揃って「ライブの日は何もできない」という結論になりました。正確には、「何をしても本気で楽しめない」というところですかね。何年経ってもライブの日は、入り時間までずっと、部屋でひとりでソワソワしているのです。これが良い事なのか、悪い事なのかはわかりませんが、ライブを大事に思っているのは確かだと思います。

そんなわけで、今日もずっと部屋でひとりで、ソワソワして、時間が来たらギター担いで家を出ました。本日はノンフィクション、福岡、大名キューブリックにてライブでありました。

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久しぶりのキューブリックに、昨年も大変お世話になったマイパストサマーの企画です。こんなん楽しくないはずがないですよね、楽しかったです。対バンも皆強く、九州のバンドの情念と執念みたいなのが見えましたね。間違いなくみな、良い音楽をしていました。良い夜でした。

我々も、結構頑張りましたぜ。「インファイト」と名付けられた企画ゆえ、攻めに特化したセットリストを用意しました。危うく死が見えるところできたが、体力の限界を越え、何とかやりきりましたよ。少なからず、皆様の脳を揺らせたのではないかと思います。少なくとも私はずっと揺れていました。キューブリックはハコの特性上、ステージ内で唸るような低音が少なく、昔はよく翻弄されたものですが、今ではそれを利用して冷静さを保てるまでになりました。私も成長したもんです。

対バンはマジで皆良かったのですが、主催のマイパストサマーはやはり尚良かったですね。気合いが入っていました。あの気合いと演奏ならば、MCの5割くらいはプリキュアの話だった事は実に瑣末な事だと思われます。

彼等の曲の中にある「青春の色が変わっていく」という歌詞が、私はとても好きです。「青春は終わった」でも「青春は終わらねぇぜ」でもなく「青春の色が変わっていく」というのは、寂しさと温かさが同居していて、実に素敵な表現だと思います。始まるとか終わるとか、一方向だけじゃないんですよね。元のものではないけれど、間違いなく消えてはいない。実に唸らせられます。

私自身「一生青春だぜ!」なんて思っているわけではないですが、今日のイベントは間違いなく「青春」のそれだったと思われます。私も、とても楽しく過ごさせていただきました。ありがとうございました。

 

打ち上げでは珍しく、ほどほどに音楽の話をしていました。そう、打ち上げって逆に音楽の話、しないんですよね。なんででしょうね、一日ずっと音楽を考えていたから、馬鹿みたいな話でバランスを取りたいのかもしれません。

音楽の話をしながら、当たり前なんですが、ここに居る人たちみんな、音楽が好きでやってるんだろうなぁと思うと不思議な気持ちになります。当たり前なんですが、世間一般の方々って我々が思うより音楽が好きではないですからね。まぁどちらかと言えば我々の方が異常なんですが。

音楽をやっていなければ出会えないような人たちと、同じステージで音楽をやって、各々、辞めない限り続いていきます。状況や環境、形は違えど、みな音楽を信じている人たちです。また何度も出会う人もいれば、今日限り出会わない人もいるかもしれません。彼等もまた、ライブの日は部屋でソワソワしていたりするのでしょうか。そういう人たちとライブをする、よくわかりませんが、「これはひょっとして青春なのではないか」と、少し考えてしまいました。

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