ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

8月20日 塞翁が沼

薄暗い六畳間に、6時50分、アラームが鳴る。

だいぶ前から意識は起きていた。外が大雨で、窓を叩く音が聴こえていた。朦朧とした意識の中で何故か「張作霖爆殺事件」という言葉がぐるぐると回り、脳味噌はすっかり前衛的になっていた。

 

して、起きる。本日も、バイトである。憂鬱。アラームを止めると、張作霖爆殺事件ってなんだったっけと、思いを巡らせる。

 

水を飲み、バナナを食べる。目覚めはそんなに悪くはない。バイトがなければより良いのだが。

さて、本日はバイトのち、深夜に北九州にて演劇の練習がある。明後日も練習、下手したら明々後日も練習なので、数日分の宿泊荷物と、パソコンを準備しておく。

さて、時間である。コーヒーを飲んでいたら、ギリギリになってしまった。急ぎ外へ出る。空は雨なので、自転車は使えない。重くなった荷物を背負い、傘をさして駅へ。

 

駅から街、街からバイト先へ。

タイムカードを切って、時給が始まる。

 

お盆も終わり、平日であるが、学生どもは夏休みの、中途半端な季節である。比較的な忙しさを感じながら、次々に、客人を捌く。

比較的が飛躍的になると、脳味噌をバーストさせながら働く。あまり、バイトでバーストはさせたくないのだよなぁ。燃料と負担が、無為に消費されていく。

 

レジ誤差が2万円出るというトラブルに見舞われると、退勤時間は1時間半押していた。もーね、嫌ですよ本当。誰だよ棒金数え間違えたの、そうだよ私だよ。

 

その後は、店に残らせてもらい、とりあえず少し眠る。

その後、仕事したくない精神をたしなめ、泣きながら仕事を始める。パソコンで動画を切り刻んだり、サボったりする。ライブの日を編集しているが、移動中の社内での会話が、適度に有益と無駄と面白味を兼ね揃えており、編集にとても脳味噌を使う。疲れた脳には、少し堪える。

 

時折、台本を開き、台詞を覚える。本日深夜は演劇の練習である。そろそろ、台本なしでやらなければならない。反復して頭に、慣らしておく。

 

夜になる。そろそろ北九州行きの準備をせねばならんところ、演劇メンバー、りんごちゃんから、今日の練習に行くのが遅れる旨の連絡が入る。

そもそも0時からであったが、2時をすぎるかも、という。

 

非常に、悩む。

直前の練習が2回中止になっており、長いこと練習はできていない。少しでも合わせておきたい気持ちはある。

しかし2時スタートなら、練習は、できてせいぜい1時間である。1時間の練習のために北九州に行くのは、正味とても辛い。自宅から換算すれば往復4時間と2500円である。

 

悩んだ末、ギリギリで中止を選択。

8時間ほど滞在した店を後にし、3日分の宿泊荷物を背負い、トボトボと自宅に戻る。戻りながら、口はブツブツと、台詞を暗誦する。

 

事務所に戻り、とりあえずシャワーを浴びる。色々と、疲れた、ブログを書かねばいけないが、しばらくはグダる。先日買ったボードゲームを、ちょいと1人で回してみたりする。一応、1人プレイにも対応している。

 

ギリギリで勝利し、地味に白熱してゲームを終えたら、すっかり忘れていたブログを書き始める。もう眠いが、書かねばなるまい。

 

書き終えたら、もう眠る。

明日は、少し空いたな。作業を詰めねばなるまい。そのために、眠ろう。