ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

その光

 

 

 

 

2021/8/6

 

その光

 

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長崎のBAN'S ENCOUNTER、ビーステでワンマンでした。とても良く光っておりました。

バンズは、昔はよく対バンしていました。企画に出てもらったことも、呼んでもらったこともあります。段々と離れてしまい、今日はライブを見るのも久々でしたが、変わっていなくて安心しました。軸はしっかりと固定され、まったくブレていない。ギターサウンドもきちんと鋭かった。「歌を押す」みたいな日和ったギターになっていなくて本当に良かった。

不器用なバンドであると思う。技巧派の演奏をするでもないし、松尾くんの歌は力強くて素晴らしいけど、一般の人が言う「歌が上手い」ではないと思う。それでも丁寧に作られた曲を、筆圧の強く綴られた歌詞を、きちんと魂を込めて打ち鳴らす姿は、圧倒的な光を放っている。バンズを見てると「バンド」というものの原始的な魅力を思い出させてくれるのです。

光について歌うバンドは多いけれど、バンズはもう「光そのもの」だと思う。ちょうどこの季節みたいな、ブ厚くて図太い光。「軸がぶれない」っていうのはまぁ当たり前で、雨だろうが雪だろうが、雲のその上に太陽があるように、光そのものは変わりようがない。圧倒する力強い光量。これからも、沢山の人を照らしていってくれ。

 

バンズと私の道が分かれてしまったのは、やはりその点、私が日陰者だからだと思う。別に嫌いあった訳じゃない、と私自身は思っている。無論私は、バンズは好きである。

しかしそんな私を、松尾くんも誠也くんもワンマンに誘ってくれた。とても嬉しかった。ありがとうバンズ、これからも邁進してくれ。

道は分かれど、性質は違えど、原点としての思い、それこそ身体に根差す光のようなモノは私だって持っていて、その点は共有していると私は思っている。

だから、いずれ何処かでまた出会うだろう。私はその時を、とても楽しみにしている。