ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

あの時の流れ

 

 

 

 

2022/11/26

あの時の流れ

小倉FUSEにて、ノンフィクション、ライブでした。

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フロアには友人や昔から観てくれたお客さんも多く、異様なほど熱狂いたしました。私ももう、感覚が焼き切れそうなほど狂乱いたしました。これがあるからライブってのはやめられんのですよ、ありがたい話です。

 

今日はサウスモーメントの主催にして区切りの日となっておりました。ライブ活動をしばらく休止するらしいです。しばらく、ってのはどんくらいかわからんですが、バンドとしてなくなるわけではないのは少しだけ安心しました。バンドがあるなら、可能性もある。

そしてその、休止前のラストライブ。駆けつけた彼らの友人達から飛び出す野次がもう、学祭かと思うくらいのやかましさでした。ちょっと度を超えてる気もしましたが、まぁ今日はサウスの主催なのと、誰かが言った「あぁーもう、ロンTが白い!」という野次が面白かったので、まぁ良いでしょう。本当にロンT、白かったもんな。あれはしょうがない。

サウスモーメント、いいライブしてました。前に見た時は結構前でしたが、それより格段に良くなっていました。各々の技術の向上もそうでしょうが、バンド全体の精神的なまとまりみたいなモノが目に見えて、音像がグッと引き締まってましたね。当人達がそれなりに歳を取ったからか、荒々しさが消えていて、それがサウスの音楽性とピタリ合っていました。しばらくライブの頻度が少なかった彼らですが、今が一番良いです。

それだけに、休止は少し残念に思ってしまいますね。この土壌をもっとライブで突き詰めたらどうなるか、観てみたかったです。まぁ、今私が何を言っても仕様のない事です。彼等が気が狂って月6本くらいライブする事を祈ります。

バンドとしての喪失もそうですが、彼等は下関市立大からの流れのバンドであり、それがまたステージから減ってしまうのが悲しいですな。10年ほど前、結構、北九州近辺の大学界隈が盛り上がった時期があったんです。それこそサウスの岡田くんの前のバンドはタワレコでCDを出していたりもしています。かなり沢山のバンドが産まれ、演者が増えてお客さんも増えて、実に良い流れでした。私もその中で存分に先輩ヅラをしていました。ひょっとしたら嫌われてる可能性もなくはないです。

しかし所業は無常。やはりどのバンドも卒業と共に減衰して、もう今のライブハウスでは、あの時の流れは影も形も見られません。サウスモーメントは、数少ないその流れのバンドでしたが、それも今日で一区切りとなります。実に寂しいもんです。

私が、ノンフィクションが先輩としてもっと売れて、勢いを出せていれば、もう少し流れは違ったのかもしれません。そういう点では我々にも先輩としての責務を果たせなかった負い目はあります。あの頃も今も変わらずあります。気落ちしてるわけではないですが、不甲斐ないのは事実です。

せめて、ライブを続けます。ライブってのは楽しいもんだと、音楽ってのは良いもんだと、本気で何かを作り上げる事は、絶対的に尊いモノである事を、叫び続けていこうと思います。私にできるのはそんくらいです。バンドで夢を見せる事はできませんが、現実を極限まで突き詰める楽しさを、精一杯、見せてやろうと思います。

いつまでも、私は延長線上で戦うつもりです。頑張っていきます。

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