ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

12回目のレコ発の夜

2023/10/13

小倉FUSEにて、レコ発でした。

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スタッフさんの書いてくれたヴィレッジヴァンガードみたいな看板にテンションが上がりました。とても、ニクイですね。とても嬉しいです。

我々ノンフィクションはこれで14枚目くらいのCDリリースになります。結成当初の2年くらいはリリースがなかったのですが、それ以降は年に1枚くらいは出している計算になります。ペースは早い方だと思いますが、すべての音源が「採算」みたいなのを度外視に製作されているので、まぁ作りたいものを作りたいだけ、好き勝手にやっています。それが良いか悪いかは人それぞれ、私は半々くらいだと思っています。

最初の方の音源はレコ発もしなかったので、今回が12回目のレコ発になるのですが、やはりレコ発ライブってのは特別ですね。音源を世間にお披露目するというタイミング、それはバンドの歴史に間違いなく刻まれ、後戻りのできない一歩を踏み出すことになります。それに伴う相応の緊張感と責任感は、いつになっても慣れるものじゃありませんが、同時にそれが楽しく、それは愉快なものでもあります。

そんな本日は、12回目のレコ発でした。

 

1組目は小倉のクーロンファンクラブ。少し前に彼等のレコ発に我々がお誘い頂いたので、今日はその恩を返す形になります。地元小倉において好き勝手やってる私が、きちんと「後輩」と呼べる数少ない奴等です。

今日もディストーションに乗せ、グッドメロディを響かせてくれました。中盤で披露した「3号線」という曲が凄まじいエモーショナルを発現していたのは、我々が3号線に馴染み深いから、だけではないと思います。先日の彼等のレコ発でも書いたのですが、ただ演奏が上手い奴等や、耳障りの良い流行りの曲を書いてるような奴等には一生かかっても出せない音圧が、彼等からは出ています。私はそれがとても好きです。

2組目は佐賀よりマイパストサマー。音楽的にはメロコア的な要素が多くて、我々がレコ発に呼んだことを意外だと言う人もいました。確かに音楽的な相似は少ないかもしれませんが、根底にある精神性みたいなのはそれなりに通ずる部分があると思っています。要するに何を好いて、何を大事にして、何で生きているか、そういう点においては通じ合っているのではないかと。そしてそれは、音楽的なものより大事だと私は思っています。

彼等もまた、エモーショナルであります。青くて、切なくて、消え入りそうなディストーション。身を切られるような爽やかさは「マイパストサマー」というバンド名をよく表しているようで、やはりとても好きです。MCでも嬉しいことを言ってくれました。やめてくれ、そのMCは私に効く。とても嬉しかったです。

3組目は滋賀よりヒューガくんです。以前、何故か短期間で3度ほど対バンをするという縁があり、それ以降の仲であります。今日のライブが今年120何本目かのライブらしく、凄まじい尊敬を覚えます。1人というフットワークの軽さもあるのでしょうが、それでもそうそう、できるもんじゃありません。凄い。

彼はいつ見ても「全力」です。もちろんバンド、演者なんて基本みんな全力で、手を抜いている人なんてほとんどいないのですが、彼のライブを見ていると何故か「全力」という言葉が浮かんでくるのです。縁起でもない話ですが、そのまま歌い終わりに絶命してもおかしくないほどの気迫を感じます。それゆえの輝きが彼にはあります。全演者の見習うべき点です。もちろん私も。

レコ発より少し前、たまたま会ったお客さんに「ヒューガくんを呼んでくれてありがとう」と言われたのが、私はとても嬉しかったです。やはり彼は輝いているのです。

4組目は、そして我々でした。今日もとてもよく叫びました。開幕のMCでは、とてもブログには書けないとんでもない事が起こりましたが、温かいお客様の皆さんのお陰で無事、なかったことにできました。本当にありがとうございます。もうしません。

しかしそれにしても、今日はよく叫びました。誇張ぬきに、過去最高のライブをしたと言っても良いかもしれません。良いライブができました。本編最後の「その咆哮で」でマイクを引っ掴んで叫んでいたら、一瞬本当に脳が揺らいで、今ここが何処かわからなくなりました。完全に飛びましたね。これも誇張抜きに、今自分が何やってるか、マジでわからなくなりました。それでも下手はしませんでしたが、こんな事は初めてでしたね。これを気合いが出たからだととるか、加齢による体力の低下ととるかは皆さん次第です。ご想像にお任せします。

存分に暴れて、存分に叫ばせて頂きました。本当、皆さんのおかげですよ。何のためにライブやってるかってそりゃ大体は自分のためなんですが、それをお客さんが求めてくれるとあったら、これほど幸せなことは中々ないでしょう。本当に嬉しいです。

思いを乗せて、人生を乗せて、歌い切りました。ノンフィクション、何処に向かっているのかわかりませんが、とりあえずは前に進み続けます。

ありがとうございました。

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終演後、打ち上げと称した資さんうどんで私はカツカレーを喰らい、その後は残った人員で小倉の誇る至高の場末「白頭山」へ。適当に駄弁っておりました。本当に適当に、駄弁っておりました。しかしこういう適当な時間、ともすれば無為に朝を迎えてしまいそうな無駄な時間が、やはり私にはとても心地よいものなのです。

お陰様で、「続けていて良かった」と、続けるたびに思う日々です。まだまだ続けます。ありがとうございました。

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